美容外科と社会のニーズ

今も触れたアンチエイジング治療などは、まさに美容外科が社会のニーズをビビッドに受け止め、その回答として提示したものと言えるでしょう。現在のところ、アンチエイジングの内面的な部分については薬学や内科治療の研究成果による「長寿と健康」の促進に譲りますが、肉体の表層的部分での若返りはまさに美容外科の独壇場です。特に我が国の未来予想図を前提とした高齢化社会の促進は、美容外科をはじめとするアンチエイジング治療の成果に待ったなしの現実を突き付けています。

高齢化社会が日本国民にどのような生活変化を促すかといいますと、まず挙げられるのは社会活動の年限が物理的に延びていくであろうことです。実際、昭和三十年代における五十歳代のイメージは、現在のそれとは比較にならないでしょう。いわば社会の状況が、我々に「老いることを許さない」のです。美容外科を含めた美容術全般、あるいはあらゆる健康法へのニーズがこれほど高まった時代というのも今までありませんでした。

必要は発明の母といいますが、実際ここ数年における美容外科のアンチエイジング治療は急速にその発展を見ています。ニーズが高まっていること。社会全体が美容外科そのものへの抵抗感をゆるめていること。美容外科における驚異的技術革新など、いくつかの要因が、近年における美容外科の隆盛とアンチエイジング治療のユーザー増加を招いていると言えるでしょう。

美容外科のアンチエイジング治療が優れているのは、どこでしょう。それは、その仕上がりのきめ細かさと自然さにあります。他のあらゆる美容外科の治療がそうなのですが、とにかく精度が高くしかも違和感が無い。アンチエイジング治療の場合ですと、本当に自然に若さを取り戻したとしか言いようのない見事さです。アルバムの中にしか存在しなかったかつての自分が、鏡の中に発見できる喜び。それが現代日本の美容外科が持つクオリティです。

一方で近年社会問題化している中高年層における鬱病の増加ですが、これも根底には老いと社会のギャップに対応できないストレスが一因としてあると言われます。そうした精神的部分のケアとしても、美容外科は一つの回答を与えてくれているのではないでしょうか。表層の若返りが、そうした心的ストレスを駆逐し、そのことが内面的活性化を促し、結果として真の若返りを促進するという効果は、あながち間違いとは言えないでしょう。