美容外科のみならず、医学全体が再生医療とナノテクノロジーを基礎としたスロースタイルに向かいつつあります。一方で薬学や非破壊治療のレベルも年々進化を続けており、苦しみや痛みを伴わず、ダウンタイムのほとんど存在しない「お手軽な根本治療」が主流となることは疑う余地のないところです。それらは極限にまで発展したハードとソフトを有効に駆使しつつ、さらなる発展を目指しています。
美容外科においては、現在内科の方で実現しつつある肥満治療の成果がシンクロしてくるのではないかと考えられます。体脂肪コントロールがより安全で短期間に行えるようになることで、根本的なボディデザインがさらに自由に安全に提供されるようになるでしょうし、フェイシャルの皮下脂肪をコントロールできるようになれば、顔の輪郭補正や小顔も容易に操れるでしょうし、目元の治療にしても、さらに簡単にすっきりしたまぶたを実現できるようになるでしょう。こうした治療が「切らずに」出来るようになるのも間近です。
美容外科はさらに多くの他分野と合体し、なおかつその内実は細分化を遂げ、美容内科・美容薬科・美容眼科などといったチームが、従来の審美歯科や美容皮膚科と共に新しい治療スタイル、新しい美容外科のスタイルを築いていくことでしょう。見かけ上はいにしえの漢方医のような診療スタイルになるかもしれません。しかしその中身は最新最強のテクノロジーを駆使した驚異的内容になっているはずです。現在のわれわれならずとも、魔法としか呼びようのない治療が美容外科においても行われるようになるでしょう。
遺伝子コントロールが永続的なものばかりでなく、ごく短期間に限定的に行えるようになるかもしれません。プチ整形的な感覚で、プチ遺伝子コントロールなるものが発明されるかもしれません。美容外科において応用するとしたらどういったものになるでしょう。季節や気分に合わせて肌を白くしたり浅黒くしたり、髪の毛を自由に直毛にしたり天然パーマにしたりといったことも、美容外科のメニューに加えられるかもしれません。
法的問題や宗教的問題さえクリアできれば、プチ性転換などというメニューも実現するかもしれません。ゲーム感覚でそうした治療が一般化するとなると、様々な問題が生じるかもしれませんが、性同一障害で苦しむ人にとってはひとつの福音となるかもしれません。今日現在「そんなのはSFだ、魔法だ」と感じることも、未来の美容外科では普通に行われているのかもしれません。